パワートレーニングとは何か メリットや注意すべき点を解説

 「〇W(ワット)で◯分踏めるようになった」、「最大パワーが◯Wまで上がった」。こうした“出力”に関する話はショップチームの仲間内や、雑誌、ロードレースの放送で耳にすることが一般的になりました。しかし、出力(パワー)の正体とは一体何であるのでしょうか。数値が向上すればレースに勝つことができるのでしょうか。ここではパワートレーニングを始める前に知っておきたい基礎を解説していきます。

パワーの正体とは?

 結論から申し上げると、パワーとはあなたのコンディションを示すバロメーターです。数値が高くなれば速度を上げやすくなりますし、下がれば遅くなる傾向にあります。「当たり前じゃないか」、と思うかもしれませんが、これが正解の一つです。一方で、目の前に表示されたパワーの数値を出すまでに取り組んだ過程を考慮したり、数値を見る角度を変えることによっては全く別のものになります。

 あなたのパワーは、あなたが自転車のペダルを漕ぐ力を表示したもので間違いはありません。しかし、“あなた”を取り巻く環境は毎日変化をし続けています。体重や睡眠時間、練習時間、日常生活のストレス…といった具合に。それは1週間、1ヶ月、1年と、期間が違えば出力される数値も異なってくることは明白です。

 よって、パワーメーターが装着された友人のバイクをちょろっと借りて、その場の数字を見て一喜一憂しても全く意味がありません。パワーはデータです。積み重ねが非常に重要になってきます。数が多くなればなるほど、数値の正確さも向上し、感覚以外に知る術がなかった“あなた自身”が見えてくるはずです。

パワートレーニングの始め方と注意点

 パワートレーニングを始めるうえで欠かせないのがパワーメーターです。かつては50万円は下らず、プロ選手か一部のアマチュアにしか愛用者がいませんでしたが、メーカーや流通量が増え、10万円前後の機種も登場。クランク型やペダル型などバリエーションにも富み、現在では一般的なトレーニングアイテムとして普及しています。

 しかし、パワーメーターを使いこなせているサイクリストは多くないのではないでしょうか。冒頭の「最大パワーが◯Wまで上がった」などの一時的な数値だけで満足してしまっている方、周りにも居るはずです。

 パワートレーニング的なマインドとしては「走行中にサイクルコンピューターに表示されている数値=いまあなたが踏むべき出力値に近いか否かを判断するための数値」であるべきです。

 このマインドを持っているだけで、パワートレーニングの質はグッと向上するでしょう。決められたメニューに沿って、着実丁寧にトレーニングを重ねていけば必ずあなたのロードレース的フィジカルは向上していくでしょう。

メニューってどうやって決めるの?

 パワートレーニングにとって、ここが最大の難関です。果たして最適なメニューとは何なのか。サイクリストは千差万別。性別や身長体重、経験値も異なります。メニューがあって、それを遂行し続けても、大元となるメニュー内容がフィットしていなければ無駄になる努力も多いことでしょう。

 一方、パワートレーニングが普及したことで、雑誌や各媒体で頻繁にメソッドが紹介されることも多くなりました。色々なタイプの読者がいるため、万人にマッチする内容となっていることも多いです。ここでは割愛しますが、パワーテストの方法や、ピーキングについてなど、参考にすべき内容も多いため、これからパワートレーニング始めたい方は知識として取り入れることをお勧めします。

 しかし、効率が良いとされるパワートレーニングとはいえ、始まってしまえば莫大な時間を消費します。個々に最適とされるメニューでなければ効率は最大化できません。ここで参考にしたいのがプロ選手のメニュー作りです。

ビギナーこそプロを頼ろう

 海外のトップ選手の多くは、パワートレーニングに造詣が深いコーチを付け、メニュー作りを依頼しています。毎日の練習で積み重ねてきたデータを解析し、疲労度や狙うレースの種類やタイミングによってトレーニングの強度や方法を考えなければなりません。トレーニングデータの解析、およびメニューの作成は非常に高度な専門領域なので、その道のプロに任せることが最適解であるのです。

 一方で、「プロじゃないから関係ないか」というのは間違いです。ビギナーほどプロのコーチを頼った方が目標へのアプローチは早まります。ピアノを初めて買い、独学で始める人がショパンを弾けるようになるまでどのくらいの月日が掛かるでしょうか。先生に習って練習するのとでは修練度は異なってくるはず。自転車もまた同じです。カメレオンならプロ選手が受けるクオリティのコーチングを提供します。あなたに適した、あなただけのトレーニングメニューでパワートレーニングを始めませんか? 

カメレオンロードバイクトレーニング