「休憩」もトレーニングって知っていますか?厳しいメニューをこなすために計画的なリフレッシュを!

プロが実践するアクティブレスト

 

 トレーニングを重ねていくうちにほぼ確実にフィジカルレベルは向上するでしょう。しかし、休息を無視して無闇に練習を続けると思わぬ落とし穴にハマることも…。今回はプロ選手の小林海(マリノ)を例に、意味のある休息について考えてみましょう。

カメレオンフィットネスでは管理栄養士がついて食事アドバイスもできる。家痩せ・宅トレ・ダイエット・糖尿病の方も対象です。

ロードレースのトレーニングは比較的長いトレーニング時間を要します。強豪ホビーレーサーにおいては、月間の走行距離で2000km、追い込み期間に入れば3000km走るという猛者もいるでしょう。

 

 結果だけ見て「よし、とにかく練習して、距離を走り込んで、パワーをかければ速くなるのか!」と思う方も多いのではないでしょうか。持てる時間を全てトレーニングに集中し、休みを作らず動き続ける…これは大きな間違いです! 実力がつき始めた中級者がこれでツマづくケースが多く見受けられます。

 

 マトリックスパワータグに所属するマリノのトレーニングピークスのデータを見てみましょう。

小林海(マリノ)カメレオンバイクフィットネス管理栄養士付き

表示されているトレーニングピークスのデータはコーチから送られてきたメニューをもとに走行したログです。週に2回ほどは距離を乗っていない日が見受けられますね。マリノは「休息もトレーニングです」と言い切ります。

 

 

マリノ

 スケジュールによっても変わりますが、週2日は休息日に設定しています。1日は完全休息で、もう1日はイージーに短時間乗る程度。メンタルとフィジカルの両方をリフレッシュさせます。次の厳しい練習をこなすための準備ですね。

 

 もう少し大きなスケールで説明すると、2〜3週間厳しいトレーニングをこなしたら1週間は軽めのメニューしかない期間も作ります。

 

 プロも厳しいトレーニングをしているだけではありません。専門家の監修のもと、積極的なレストを取り入れることで実力を伸ばすことができるのです。

小林海(マリノ)カメレオンバイクフィットネス管理栄養士付き

「休息」で気をつけることとは?

 

 昨今のパワーメーターや高精度のサイクルコンピューターを活用することで、比較的高い精度で自身の疲れを可視化できます。これは大いに参考になるでしょう。TSSやCTLを積み重ねることが目的になってしまっているサイクリストもいるかもしれませんが、ご自身の疲れにも向き合ってみてください。

 これらに留意した上で、計画的なトレーニングを実施することが理想ではありますが、仕事が忙しかったり、天候が悪い日が続いたりと思い通りに練習ができないという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ここで覚えていただきたいのが「トレーニングログのグラフを綺麗に整えることが目的ではない」ということ。

 マリノの様にトレーニングに充分な時間を割けるプロ選手であっても、メニュー通りに完璧なトレーニングを実行することはなかなか難しい作業です。レースの移動が続いたり、体調が悪くなったり…コントロールできない事象も多々あります。

 そこで、頼れるコーチがついていればシチュエーションに合わせたメニューを臨機応変に組み替えてもらうことが可能です。実際、マリノもトレーニングピークスのログから自身でメニューを考案せず、ログからコンディションを推測したコーチが組んだメニューをこなすことに集中しているそう。

マリノ

 週の中で、または月の中で、どこで踏んでどこで休むかを決めるのは至難の業。感覚では疲れていなくても、データをプロが読み取ることで実際は疲れていた、というケースは幾度となくありました。そのままトレーニングを続けていたら慢性的な疲労で疲れが取れず、調子を崩していたかもしれません。狙っているレースに向かって集中し「ピーキング」するうえで、コーチの存在が不可欠ですね。

 

 僕たちプロ選手以上にホビーレーサーは使える時間に制限があると思います。練習のメリハリを最大限に活かすためにも、ホビーレーサーにこそパーソナルコーチは必要だと思いますよ!

 

 すでにパワーメーターやトレーニングピークスを活用している中上級者は、サイクルコンピューターのアドバイスだけでなく、血の通ったコーチに相談できる環境を作ってみてはいかがでしょうか? ビギナーの方は練習を楽しんで続けながら、ぜひ休息も大いに大切にすることを覚えてください!


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